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2019.03.15

相続法改正ポイント②~自筆証書遺言

自筆証書遺言制度の改正

自筆証書遺言は、これまですべて自書で作成する必要がありましたが、目録については、パソコン・ワープロにより作成することが認められるようになりました(新968条)。

この制度は2019年1月13日からスタート、つまりもう始まっています。

自筆証書遺言の改正の概要

これまで自筆証書遺言は全文の自書が求められていました。
例えば、遺言の内容として作成する不動産や預金口座の一覧表も全て手書きでなければならなかったのです。

新法はこの点を緩和し、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合に限り、自書以外の方法による作成を認めました(新民法968条2項)。
つまり相続財産の目録については、パソコンやワープロで印字しても構わないものとされたのです。
これにより、不動産目録の代わりに法務局発行の登記事項証明書を、預金目録の代わりに預貯金通帳のコピーや金融機関発行の明細書を自筆証書遺言に付ける、といった方法も認められることになります。

この目録を遺言に添付するときは、その目録の各ページごとに署名し、押印する必要があります。
なお両面印刷の場合には、その両面に署名押印をしなければなりません(新968条2項参照)。

よくある質問

「各ページへの割り印(契印)は必要ですか?」

「押印はすべて同じものでなければいけませんか?」

「押印は実印でなければいけませんか?」


いずれも民法の条文上は要求されていません。
押印は遺言作成者の印鑑によるものであればよく、本文に押された印と財産目録に押された印が違っていても構いませんし、認め印であっても無効になることはありません。
しかし、後々のトラブルを防止する観点からは、押印する印鑑はすべて実印とし、各ページに割り印(契印)もしておくほうが良いでしょう。
割り印(契印)は遺言書全体の一体性を証明するためのものですので、これ以外にも「同一の封筒に入れて封緘をする」「遺言書を全体として編綴する」といった方法を取ることもありえます。

なお、この目録について訂正をする場合は、これまでの自筆証書遺言の加除変更と同じように、遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更場所に押印をしなければなりません(同3項)。

自筆証書遺言は利用しやすくなるか?

この制度は、自筆要件を緩和することで、自筆証書遺言を利用しやすくすることを目的としています。
確かに、膨大な財産を一つ一つ書き漏らさずに自書する負担からは解放されました。
しかし、対象財産を正確に特定しなければならないこと、厳格な署名押印の要件は維持されており、これらに違反する遺言が無効になることは、旧法時代と変わりがありません。
また、遺言能力の有無や相続人の意思の介在が争われる危険も変わりありません。
一般の方が単独で遺言を作成することはハードルが高い事には変わりがないのです。

きちんとした遺言を作成されたいのでしたら、やはり専門家を開示させて、公正証書遺言の作成をお勧めいたします。

公正証書遺言については、こちらをご参照ください。

財産を開示したくない事情があるなど、どうしても自筆証書遺言を作成されたいということでしたら、守秘義務を負う専門家と十分相談し、安全確実な遺言を作成するようにしてください。