示談金について
示談金とは
交通事故に遭うと、相手の保険会社から「示談金はこの金額でご提案させてください」と切り出されます。
「示談金」とはどういったもののことでしょうか?
「示談金」とは、当事者の「示談」によって支払うことが決まった金銭を指します。
「示談」は、法的には和解契約のことをいいます。
和解契約とは法的問題で争う当事者が互いの主張を譲り合い、争いをやめる約束をすることです。
示談金が発生するのは、交通事故に限った話ではありません。
犯罪行為、離婚慰謝料、各種契約の違反、公害事件、薬害事件、国家賠償事件まで、およそ法的トラブルにおいて金銭での解決に当事者が合意すればそれは「示談金」です。
■示談の例
交通事故で負傷した被害者Bは病院で治療を受けました。
Bは治療費として10万円を支払えと言います。
しかし加害者Aは、Bのケガは軽いから10万円は過剰診療で、5万円で十分のはずだと主張しています。
AとBが話し合った結果、AがBに7万5000円を支払う事でお互い納得しました。
この7万5000円を支払う約束が「和解契約」であり、「示談」と呼ばれているものです。
そして、この7万5000円を、示談によって支払いが決まったものとして「示談金」といいます。
■示談の内容
示談の内容には制限はありません。
示談金であれば、金額のみならず、支払期限・支払方法など、当事者が合意さえすれば自由に決めることができます。
もっとも、当事者間で完全に自由に決められるとなると、当事者同士の力関係が支配する世界になりかねません。
そのため、例えば示談金の代わりに肉体関係を結ぶ約束をするとか、僅少な損害であったのにその数十倍の示談金の約束をさせたような場合などは、公序良俗に違反するものとして無効となります。
交通事故でも保険会社を介してではなく、当事者同士で示談の交渉をする場合には、このようなトラブルに発展する可能性もあるので注意が必要です。
法外な示談金を要求されているとか、相手から無理難題を言われて困っている場合にも、弁護士が力になることができます。
お困りの方はぜひご相談ください。
■示談書の記載方法
当事者で示談が決まったら、証拠として示談書を作成します。
保険会社が相手の場合は、専用の書式が用意されていますので、その送付を受ければいいのですが、相手方が個人の場合は、自分で作成しなければなりません。
示談書の書式に制限は特にありませんが、書くべき項目には注意が必要です。
次の各事項は、明確に記載する必要があります。
● 誰と誰の間の合意か
● どのような事件に関しての示談なのか(交通事故であれば、事故の日時・場所・車両ナンバーを特定します)。
● 誰が、誰に対して、いくら(金額)、いつまでに(支払期限)、どのような方法で(振込先口座)、支払うのか。
● 約束を守れなかった場合にペナルティをつけるのか(利息、違約金など)。
● この示談によって当事者間の全ての法律問題を解決とするのか、それともこの示談は特定の法律問題を解決するだけで他の問題は棚上げとするのか。
(後者の例として、怪我の治療がまだ終わっていない段階で、物損(車両修理費)と過失割合だけを先行して示談する場合があります。)
示談金をはじめ交通事故に関してご不明な点がありましたら、これまで数百件の交通事故対応実績を有する、京都市中京区・烏丸御池駅近く【あさひ法律事務所】にご相談ください。