損害賠償の分類
損害賠償の4分類
交通事故の際に問題となる損害賠償金は大きく分けると「積極損害」「消極損害」「慰謝料」「物損」の4つに分類することができます。
■積極損害
積極損害とは、交通事故によって被害者が支出しなければならなくなった費用です。
●治療費
病院での診察費用、入院費用、薬代、リハビリ費用など、負傷を治療するために被害者が負担した費用の全てが含まれます。
●入通院交通費
病院に通わなければならなかったために負担した交通費です。
●付添看護費用
医師の指示や受傷の状況、被害者の年齢などの事情により、付添人をつけなければならなかった場合の費用負担です。
●車椅子や松葉付、義足等の装具の費用
■消極損害
消極損害とは、被害者が本来得ることができたのに交通事故のために失った収入です。
「得べかりし利益」などとも言われますが、積極損害と異なり損害額が明確ではないため、その金額が争われることの多い分野です。
●休業損害
怪我のために仕事を休まなければならなかったために失われた収入です。
通常、事故前3ヶ月間の収入から1日あたりの収入額を算出し、それに休業期間を乗じて計算します。
●逸失利益
後遺障害が認定された場合に、後遺障害がなければ得られたであろう収入です。
交通事故の治療が終了した段階で症状が残存していても、それらが全て当然に後遺症となるわけではありません。
自賠責調査事務所という第三者機関において、その残存症状が後遺障害として認められる必要があります。
後遺障害は、その内容と程度に応じて14段階に分類されます(後遺障害等級)。
労働能力がその等級に応じた一定の割合で失われたと考え(労働能力喪失率)、健康な身体であれば通常67歳までに稼ぐことができたであろう生涯収入に、労働能力喪失率を乗じて金額を算出します。
■慰謝料
●入通院慰謝料
治療するために入院、通院していた期間の長短(場合によっては日数)に応じて加算される慰謝料です。
事故による傷害を負ったこと自体に対する慰謝料といえ、傷害慰謝料とも呼ばれます。
●後遺障害慰謝料
交通事故後の治療で治りきらなかった症状が後遺障害と認定された場合には、その後遺障害等級に応じた慰謝料が支払われます。
●死亡慰謝料
被害者が死亡したということ自体に対する慰謝料です。
これは、死亡した被害者自身の慰謝料と家族など近親者に生じた慰謝料に分けることができ、被害者自身の慰謝料は、被害者の相続人が承継します。
■物損(物的損害)
事故によって壊された財産の損害です。
多くは修理代金や代車料など、破損した車両にかかわるものが多いですが、高価な衣料品やアクセサリーなどが毀損された場合には、その賠償も含まれます。
また、交通事故でペットが亡くなったり怪我をした場合も、法的には「物損」として取り扱われます。
■まとめ
これらの損害に対する賠償額については、ある程度の目安となる基準が存在しています。
これは数多く発生する交通事故を定型的に処理して効率化を図るとともに、事件ごとの不公平感をなくすためです。
「基準」は、「自賠責基準」「保険会社基準」「弁護士(裁判)基準」の3つがあり、左から右にかけて金額が高くなります。
一般の方が保険会社と示談する場合、たいてい「自賠責基準」や「保険会社基準」での示談額を提示されてしまいます。
しかし、弁護士が交通事故の示談交渉に参加することにより、最も高額な「弁護士基準」での解決が期待できます。
保険会社の言いなりになって示談書に判子を押してしまう前に、一度交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
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